農薬を使わない野菜プラントは、企業の熱い思いから。恒次工業

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柔らかくて美味しいリーフレタスを作っている企業さんに訪問しました!

和気でかっこいい!企業といえば・・・

恒次工業さん!と答える人も多いのではないでしょうか。
鉄筋加工業がメインの企業さんです。

なぜかっこいいかって?詳しくは後述しますが、一言で言えば「他の企業がなかなかできないことをしてるのに、それを自慢しない」そんなところが格好良いのです。

代表の恒次 一 社長

「難解な仕事ほど、好きなんです」
そう答えるのは、代表の恒次一社長。。。の奥様のほう(顔出しNG)

ー 難解な仕事って?例えばどのような仕事ですか?

奥様「鉄筋加工部門では、鉄筋や鉄線を様々な形に曲げたりくっつけたりして加工する仕事なんですが、他の企業は様々な形には対応していないんです。」

ー それはどうしてですか?

社長「形に応じて、加工用の大型機械が必要になるし、それを扱う職人も必要になります。だから普通はやりたがらないんですよ。でもうちは昔から、難しい仕事ほどやっちゃう傾向がありますね。」

なるほど、大きな工場には、確かに様々な巨大機械が置いてありました。
保有設備台数70以上、岡山県内トップクラスの鉄筋加工設備です。
うーんかっこいい!!

工場がきれい!

工場を見学させていただいて思ったのは、とにかくきれい!
床にゴミは無く、工具は整然と並べられています。

「2008年にISO9001を取得して、工場もオフィスも整理整頓したんです。スタッフからも、気持ちよく働けるようになったとの声があり、生産性も向上しました。」

なるほど、安全面での配慮もあちこちに見て取れます。
でもきれいを維持するのって大変ですよね。
私も自分の部屋の掃除からはじめよう。。。

鉄筋加工の企業が、なぜレタス?

さて本題の、レタス生産。恒次工業さんの農業部門では、2010年に完全閉鎖型植物工場「ベジファクトリー」を設立。
室内でリーフレタスを生産しています。
そしてこのレタスは、和気◎印(和気町特産品ブランド)の認定も得ました。

ー どうして農業部門を立ち上げたのですか?

「将来の食糧危機に備えて研究しているんです。日本の食料自給率は、農業人口の高齢化とともに、低下の一途を辿っています。世界を見れば、地球の人口は増え続け、日本の経済は停滞し続けています。食糧輸入もいつまでも安定してできるかわかりません。」

ー 最近ではコロナの影響で、食糧危機はより現実味を増してきましたね。
  でもなぜ工場生産なのですか? 和気は畑もいっぱいあるのに。

「通常の農業はちゃんと知識が無いと難しいじゃないですか。工場生産は設備さえ作れば誰でもできるんです。天候にも左右されない。誰でも安定してつくれるというところにポイントがあるんです。」

ー おお、工場生産ってハードルが高いのかと思っていました。でも逆なんですね!
  通常の農業に必要な知識や、様々なリスクに比べたら、難易度はむしろ低い。

奥様「でも利益とかは全然出ないので、商売には向いてないです。」
社長「他のレタスが安かろうが高かろうが、価格変え無いんです。安定供給が目的ですから」
奥様「だから季節によっては全くの赤字です(笑)」

そんなリーフレタスの特徴は
・農薬を一切使わないで栽培。残留農薬の心配なし。
・生菌数が少ないので、鮮度が長持ちします。
・年間を通じ同じ価格なので、お得な時期有り!
・柔らかく食べやすいので年配の方やお子様にも高評価
と、消費者にとってはいいことがいっぱいあります。

さらに最近ではミニトマトのハウス栽培も初めたそうですよ!
またこの話も改めて伺いたいですね。

太陽光発電でのもうけは・・・寄付

恒次工業さんは2013年より太陽光発電部門をつくって、巨大工場の屋根に太陽光パネルを敷き詰めています。
オフィスには発電量を観測するモニターが輝いています。

ー ・・・しかし全く話に出ないので、こちらから聞いてしまいますが、
  うわさでは、売電で得たお金は、地元の学校に寄付されているとか。

社長「ああ、はい(笑)」

ー パネルの設置代や維持費なんかもあると思うのですが、年間何十万も寄付されていると聞きます。
  どうしてなんですか??

社長「そりゃ、おてんとう様から得た利益ですから。うちの懐に入れるわけにはいかないです。」

ー か、かっこいい!!!(感動)私だったらにやにやしながら懐ですが。。。

社長「そもそも儲けが目的では無くて、エネルギー自給率を上げる研究でもあるんですよ。」

社長は、学校をはじめ、町内の子育てボランティア団体にも個人的に物品を寄付してくださっています。それを豪語しないそのお人柄、これまた大物感が漂います。
熱い思いで地域の、そして世界の未来を語る姿が、輝いて見えるのでした。

親の働く姿をみて、子が入社

恒次工業さんって、どんな会社なんでしょう。スタッフさんにもインタビューしてみました。

ー 入社されたきっかけは?

「親父が働いています。小さい頃からよく連れてきてくれて、みんな遊んでくれたし、もうひとつの家みたいな馴染みがあったんです。なので入社しました。」

ー すてきですね。お父さんと一緒の職場って、やりづらく無いですか??

「部署も違うので、やりづらくは無いですね(笑)」

ー 恒次工業ってどんな会社ですか?

「みんな仲良くて、働きやすい職場です。憧れの親方も、わかりやすく指導してくれます。」

こちらが、笑顔がすてきなお父さん。

子が父を見て入りたいと思う、父も息子にも入らせたいと思う、これはとてもすてきなことですね。
他のスタッフさんとも何人かお話ししたのですが、社内はとてもいい雰囲気でした。
女性も大きな機械をガンガン動かしていて、やはり格好いいのでした。

ーーー 最後に、社長業に必要な資質とは何かを伺いました。

一呼吸おいて、こんな風に答えてくださいました。

「’色んなことがいっぺんに見れる’こと。
仕事してるふりしながらね、車が通った、電話がなった、誰が誰と何を話してる、とかね。
会社として、個人として、元気かどうか、いいこと悪いこと、全部見るんだよ。意識したらできるようになる。
社長は1個のことに集中できないんだよ。そういうのは、夜中にね。」

ー 常にアンテナ全開ですね。疲れちゃいませんか。

「もうね、年齢的に無理よ。どうでもいいところでインターバル置かないと。
だから、休憩もするよ。15〜20分思い切って休むことでいい仕事できるんだよ。
休憩さしてあげて。特に50代過ぎた人には、さ(笑)
歳には勝てん。そこをうまく、見えないようにするのよ。(一同笑)」

「あとは、’忍耐力’かな。
人のミスを責めない。人のせいにしない。「いつもありがとう」の気持ちを大切にします。」

言葉控えめで、ちょっと照れ屋さんな社長の言葉には、重みがあります。

社長の思いやりと気遣いが、柔らかい社風とリーフレタスを作っているってことがわかりました。
お忙しいところ、ありがとうございました!

企業情報

事業所名 恒次工業株式会社
業種 鉄筋加工業
農業
不動産業
太陽光発電事業
電話・FAX 0869-93-2255
本社
住所
岡山県和気郡
和気町衣笠3-1
リーフレタスの販売先など知りたい方はこちら
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http://tsunetsugu-kogyo.co.jp/about/agricultural/

恒次工業さんのホームページはこちらです。
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