味と鮮度が売りのオーダカット 焼肉 勘

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「雇われたくない」「父親と同じ仕事はしたくない」葛藤の末に行き着いた「手切り」を極める風雲児

オーダーカットという言葉をご存知でしょうか?お肉を塊で買って、注文が入ってから切って出すというサービス方法です。

予め機械でお肉を切って保存しておいたものをサーブする多くの焼肉屋さんに対して、勘はお肉の切り方、つまり鮮度に徹底的にこだわります。

勘ならではのこだわり

お肉の処理は機械を使わず、全て手作業で行います。
「手切り」をするには技術も必要ですし、当然機械に比べて手間も時間もかかります。
しかし商品は生き物ですから、スジのつきかた、脂ののり方など全て異なります。手作業にすることで、機械では難しい細かい筋や脂を取り除くことができ、また肉に合わせた切り方ができるので柔らかく食べやすい肉を、鮮度が良い状態で提供できるのだそうです。

一頭買いしているので、ホルモン系も充実しています。新鮮なお肉を取り扱っているこのお店だからこそ、安心して色々な部位に挑戦してみることができますね。ちなみに一頭の内臓の重量はなんと25キロだとか。圧巻です。

若大将の挑戦

大将は、大阪の有名な道頓堀のグリコサインど真ん中にある焼肉屋さんで経験を積みました。

黒毛和牛しか扱わない高級焼肉店で、東京や大阪にある超有名店でした。そこに飛び込みで、「住み込みでやらせてください!なんでもやります!」とやるのですから。

多国籍の外国人も多く行き交い、クラブや呑み屋がたくさんある繁華街で昼夜関係なく、本当に「修行」という文字がぴったりの二年間を過ごしたそうです。言葉にはし尽くせない数々の失敗や経験を元に、現在の手切りの神業を体得していきます。

勘は、もともとお父さまがお店を持っていて別の方が店長となり運営していたのですが、その方が離れて数年、担い手がおらず空っぽの状態だったのでした。

息子さんである若大将は、当時は父親のお店を継ぎたくもないし、かといって別の道でサラリーマンをするつもりもなく、様々な模索があったそうです。一度は和気を飛び出し、外の世界からまた自分の故郷を見つめる時間を持ちました。

そのあまずっぱい経験が大将の視野を広げ、父親の想いを背負う覚悟を与えました。お店の再スタート立ち上げは、全部大将がやりました。そしてオーダーカットのこだわりが町内外問わず、人々の胃袋をつかんだのです。

オープンしてまだ1年半(2020年4月時点)ですが様々な年代のお客さんが足を運んでいます。

肉汁一つ落ちていない清潔な調理場です。丁寧にブロックごとにラッピングされたお肉が、冷蔵庫にドーンと整列。

無駄のない美しい包丁さばきで、お肉が均一に削がれていきます。

笑顔がチャーミングな若大将。キッチンに入ると、その優しい眼差しは一変します。

職人技をお披露目してほしいとせがんでみたところ、こちらも手元の動きに集中して思わず見入ってしまうのでした。

人をおもてなしすることが大好きな大将は、仲間を集めてよくホームパーティを開催するそうです。コミュニケーションを第一に考え、お客さんともたくさん会話します。
女子と子どものハートもつかむ優しいお兄ちゃん。事務所には鉄アレイが転がっていました。格闘技も好きだとか。(ここだけの話、お嫁さんも募集中ですよ!お年頃の乙女たち、チャーンス!)

全員集合!今夜はココだっ

黒と赤が基調の落ち着いた雰囲気の店内。新鮮なお肉が映えます。開店前ではありますが、脳内でジュージュー音が響いてきますねぇ。

ソファー席もあります。

二階はキッズスペースもあり、お座敷は広々しています。目が届くところで子どもたちを遊ばせながら、隣で存分にお肉が焼けるのは、親たちの至福です。

大衆焼肉屋って雑多で危ない場所も多く床もぬるぬるで、子どもたちを羽交い締めにしながら、もとい、たしなめながらお肉のお世話に忙しいイメージはありませんか?

このお店はリーズナブルな価格帯にも関わらず、細かなところまできちんとしているので、大人も食事をゆっくり楽しめます。
トイレもこだわって清潔に管理していることが分かります。安全面にも配慮したお店づくりに感心するママも多いのではないでしょうか。

勘のもう一つの特徴、それは盛り付けの美しさです。
料亭を思わせる盛りつけは、特別な日のお食事にもぴったりです。

そして味も最高。「手切り」によって、お肉は新鮮なまま。

グリルはジンギスカン風の形状で、余分な油は下へ流れます。

これがざぶとん!ドオーーーン。ざぶとんは、はねしたとも呼ばれ肩ロースにある部位です。ロースの中でも最も首に近い部位で、全体的に肉厚で柔らかくきめが細かいのが特徴。

いやー、ジュージュー音が聞こえてきますねぇ。(二回め)

さすがは若大将。snsを駆使して、同年代やママ世代に向けて発信も怠りません。ラインのタイムラインは年配のお客さんも良くみてくれるそうで、平日も賑わいます。地区のお祭りや壮年会、仕事の打ち上げはさてどこで、となったらみんなこのお店の名前をあげてきます。

お父さまは水産業を営んでおり、町内あちこちのレストランに新鮮なお魚を卸しています。勘でも週に一回お刺身が出てくるそうです。焼肉屋で超イキの良いお肉もお魚も食べられちゃう贅沢。

今後はランチタイムのお弁当や、お肉の配達も始めました。新しいことにどんどん挑戦していこうという若さとパワーが、伝わってきます。

和気町のエネルギーは、どこから?そうだ、焼肉だー!!

基本情報

営業時間 [火〜金]
17:00〜21:30(LO)
[土・日・祝]
11:00〜14:30(LO)
17:00〜22:30(LO)
定休日 月曜日
※祝日の場合、ランチも通常通り営業
駐車場
座席数 1階テーブル席24席、2階掘りごたつ36席
利用シーン 家族で。デートで。記念日に。
電話 0869-93-4441
住所

岡山県和気郡和気町和気299-3

 

 お店までのルート